はじめに
「血圧が高い」と言われると、多くの方が「減塩しなければ」と考えます。もちろん塩分制限は非常に大切ですが、それだけでは十分ではありません。実は、高血圧を悪化させる食品や食習慣は塩分以外にも存在します。
本記事では、「高血圧の人が特に控えたほうがよい食品」を中心に、その理由と代替の工夫について解説します。
1. 塩分の多い食品
加工食品・外食に要注意
- インスタントラーメン、カップ麺
- 漬物、梅干し
- ハム、ソーセージ、ベーコン
- スナック菓子、せんべい
- ファストフード、丼物やラーメンなど外食
これらは1食で 1日の推奨量(6g未満) を超えてしまうこともあります【日本高血圧学会ガイドライン2025】。
特に「汁物のスープ」「調味料のかけすぎ」が盲点です。
対策:
- スープは残す
- 減塩しょうゆ、減塩みそを使用
- 香辛料やレモン汁で味を補う
2. 飲み物にも潜む落とし穴
- 清涼飲料水:糖分過多で肥満・糖尿病リスク増 → 高血圧悪化
- アルコール:少量なら血流改善効果もあるが、習慣的に飲むと血圧上昇。特にビール・日本酒など糖質が多い酒類は注意
厚労省推奨:1日アルコール 20g未満(日本酒1合、ビール中瓶1本程度)
3. 脂質の多い食品
- 揚げ物や菓子パン
- ケーキ・スナック菓子(トランス脂肪酸含有)
- ラードやバターを多く使った料理
飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は動脈硬化を進行させ、血圧上昇につながります【AHA, 2021】。
対策:
- 揚げ物は週2回以下
- バターよりオリーブオイル
- おやつはナッツや果物に置き換える
4. 食べ過ぎ・カロリー過多
塩分や脂質だけでなく、体重増加そのものが高血圧の大きな原因です。体重が1kg減ると収縮期血圧が平均1mmHg下がると言われています【JNC7 Report】。
腹八分目を意識し、BMI 25未満を目標に。
5. 高血圧の人におすすめの食習慣
DASH食(米国で推奨される高血圧予防食)
- 野菜・果物を多く摂る
- 魚、大豆、低脂肪乳製品を活用
- 塩分・飽和脂肪酸を減らす
- カリウム・カルシウム・マグネシウムをしっかり摂取
日本でもDASH食を参考にした「減塩和食」は有効です。
6. 池尻大橋せらクリニックでの実際の取り組み
当院では、血圧測定だけでなく、食事内容を確認し、栄養指導や生活習慣アドバイスを行っています。
- 食塩摂取量の推定
- 血液検査で脂質・糖代謝の確認
- 減塩だけでなく「バランスの取れた食事」を重視
- 必要に応じて管理栄養士との連携
患者さんごとに「何を控えるか」だけでなく、「どう置き換えるか」を提案することで、無理なく継続できる食習慣改善を支援しています。
まとめ
- 高血圧では 塩分制限が基本。特に加工食品・外食・汁物に注意
- 糖分やアルコールの過剰摂取、飽和脂肪酸・トランス脂肪酸も控える
- 食べ過ぎ防止と適正体重維持が血圧管理に直結
- 「食べてはいけない」ではなく、「代わりにこれを摂ろう」と考えることが継続のコツ
参考文献
- 日本高血圧学会. 『高血圧治療ガイドライン2025』.
- Appel LJ, et al. A clinical trial of the effects of dietary patterns on blood pressure. N Engl J Med. 1997. (DASH trial)
- American Heart Association. Dietary guidelines for cardiovascular health. Circulation. 2021.
- Whelton PK, et al. The JNC7 report: Prevention, detection, evaluation, and treatment of high blood pressure. JAMA. 2003.
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