― スポーツメンタルとオーバートレーニング/バーンアウトについて ―
スポーツに取り組む学生や競技者にとって、「心のコンディション」もまた、パフォーマンスに大きく関わる要素のひとつです。
特に、結果を求めすぎるがあまり心身が疲弊してしまうケースや、頑張っても成果が出ないことによる意欲低下・不調は、見た目では分かりにくいものの、実は非常に多くのアスリートが経験しています。
今回は、池尻大橋せらクリニックでご相談を受けることが多いオーバートレーニング症候群とバーンアウト症候群についてご紹介します。
【1. オーバートレーニング症候群(Overtraining Syndrome)】
― “限界を超えて頑張っている”状態に気づけていますか? ―
■ どんな状態?
トレーニング量や質が過剰となり、十分な回復ができないまま慢性的な疲労状態に陥ることで、パフォーマンスが低下してしまう状態です。
筋肉の疲れだけでなく、自律神経系やホルモンバランスの乱れ、睡眠障害、集中力低下などを伴います。
■ よくあるサイン
- 練習を重ねているのに記録や成績が落ちる
- 疲労が抜けず、寝ても回復しない
- 食欲が落ちる、体重が減る
- 寝つきが悪い、早朝に目が覚める
- 風邪を引きやすくなった
- 練習への意欲がわかない/イライラする
■ 当クリニックでできること
- 身体評価(体組成、血液検査、ホルモン評価など)
- 栄養・休養の見直し
- トレーニング内容の調整に関する医療的アドバイス
- 必要に応じて心理的ストレスチェックや外部専門機関との連携紹介
特に持久系競技(長距離走、競泳、トライアスロンなど)に多く、早期に気づくことで回復期間を短縮できるといわれています。
【2. バーンアウト症候群(Burnout Syndrome)】
― 「好きだったスポーツが苦痛になる」心の疲れ ―
■ どんな状態?
日々の練習やプレッシャー、期待とのギャップにより、精神的なエネルギーが枯渇してしまう状態です。
特に「真面目で頑張りすぎる子」や「親・指導者の期待を背負いすぎている子」に多くみられます。
■ よくあるサイン
- 「楽しくない」「辞めたい」が口癖になる
- 練習を理由もなく休むようになる
- 試合直前にお腹が痛くなったり頭痛が出る
- ミスに対して極端に自己否定的になる
- 普段の生活でも元気がなく、笑顔が減る
■ 当院でできること
- スポーツ内科・整形外科の視点から身体的不調が原因かを除外
- 栄養・睡眠・生活リズムの調整アドバイス
- ご本人・ご家族との面談を通して、競技環境やメンタル状態を整理
- 必要に応じてスポーツ心理専門医療機関へのご紹介
メンタルの問題に見えても、実は貧血や睡眠障害、栄養不足といった身体の要因が背景にあることも多く、まずは医療的なチェックが重要です。
【当クリニックのスタンス】
当クリニックは精神科・心療内科の診療は行っておりませんが、
「身体とメンタルの境界にある状態」への気づきと、専門機関へのスムーズな連携を大切にしています。
- 練習しても伸び悩む
- 朝起きられない・疲れが取れない
- 無気力や情緒不安定が続いている
こうしたサインに気づいたとき、「まだ大丈夫」と思い込まず、一度ご相談いただくことで、選手としてのキャリアを守る第一歩になることがあります。
【まとめ】
スポーツにおける“心の不調”は、特別な問題ではありません。
むしろ、高い目標に挑戦しているからこそ起きうる自然な現象でもあります。
だからこそ大切なのは、「我慢して続ける」ではなく、“いったん立ち止まる”勇気です。
当クリニックでは、身体面からのアプローチや休養・栄養・練習環境の調整をサポートし、必要に応じて信頼できる専門機関への橋渡しも行っています。
選手としても、人としても、長く健やかに成長していけるよう、ぜひ一度ご相談ください。