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海外遠征で“実力を出しきる”ために

― スポーツ選手に必要な「渡航医学」という視点 ―

国際大会や海外遠征に臨むアスリートにとって、準備すべきことは技術や戦術だけではありません。
時差・気候・環境の違い、そして感染症のリスクなど、普段の国内活動では意識しない“身体の環境変化”にどう対応するかも、競技力を左右する重要な要素です。

池尻大橋せらクリニックでは、スポーツドクターとしての立場から、渡航医学の視点をもった医療サポートを提供しています。
今回は、選手が“遠征先でベストを出すために”必要な知識をご紹介します。

【1. Jet Lag(時差ボケ)のマネジメント】

海外遠征で最も多くの選手が悩まされるのが「Jet Lag(時差ボケ)」です。
これは体内時計(概日リズム)と現地時間とのズレによって起きる体調不良で、以下のような症状がみられます:

  • 倦怠感・眠気・集中力低下
  • 睡眠の質の低下・夜間覚醒
  • 胃腸障害・食欲不振
  • ホルモン分泌リズムの乱れ(パフォーマンス低下)

■ 対策のポイント:

  • 渡航の2~3日前から徐々に就寝・起床時間を調整する
  • 到着後はできるだけ早く太陽の光を浴び、体内時計をリセット
  • メラトニン(ホルモン補助)を活用することもあり(※医師の指導のもと)
  • 機内での水分補給・アイマスク・イヤホン使用で睡眠環境を整える
  • 可能であれば、試合スケジュールに合わせて練習時間を調整する

【2. 感染症対策:予防が“実力維持”に直結】

慣れない土地では、風邪や胃腸炎などの感染症リスクが大きく上昇します。
特に食事・水・気候の違いからくる体調不良は、大会直前のコンディション低下を招きます。

■ よくある感染症・体調トラブル:

  • 旅行者下痢症(食事・水の違いによる)
  • インフルエンザやCOVID-19(渡航先での流行状況に注意)
  • デング熱、マラリア、A型肝炎、腸チフス など(地域による)

■ 予防のポイント:

  • 生水・生もの・屋台食は原則避ける(氷・カットフルーツも注意)
  • 手洗い・アルコール消毒をこまめに
  • 渡航前に必要なワクチン接種(A型肝炎、黄熱、破傷風など)を確認
  • 胃腸薬・解熱鎮痛薬・整腸剤などの携行
  • 海外保険への加入・現地医療機関の把握も重要

当クリニックでは、必要に応じて海外渡航用のワクチン接種や感染症情報の提供、英文診断書の発行なども行っています。

*来院当日の接種は難しいためご了承ください。

【3. 薬とアンチドーピングの両立】

渡航先での体調不良に備えて常備薬を持参する場合、ドーピング禁止物質が含まれていないかの確認が必要です。
風邪薬、鎮痛薬、胃薬、漢方薬の中には、競技者が安易に使用すると違反になる成分も含まれていることがあります。

■ 当クリニックの対応:

  • 競技レベルに応じた持参薬チェック(JADA/WADAリスト準拠)
  • 必要に応じて治療使用特例(TUE)申請サポート
  • 市販薬での代替候補の提案

【4. 熱中症・寒冷障害にも注意】

遠征先によっては、極端な高温多湿・乾燥・寒冷地など、日本とは全く異なる環境でのパフォーマンスが求められます。

  • 高温地:水分・塩分補給、冷却グッズ、日射病対策
  • 寒冷地:防寒対策、アップ時間の確保、霜焼け予防
  • 高地(2000m以上):高山病対策、数日前からの順化が必要

体温調節や代謝の影響も考慮し、必要に応じて体組成や水分量、運動前後の血圧や体温のチェックも行っています。

また、競技団体によっては海外渡航前のメディカルチェックが必要な場合があります。
渡航前のメディカルチェックも当クリニックで行えるため、必要な方はご相談ください。

【まとめ】

海外遠征は、日常では経験しない環境下での“総合的な体力・知識・自己管理”が問われる場面です。
だからこそ、技術・戦術だけでなく、医学的準備がそのままパフォーマンスにつながるといっても過言ではありません。

当クリニックでは、スポーツドクターとして、アスリート一人ひとりの体調管理・感染症対策・時差調整・薬のアドバイスまで、安心して遠征できる環境づくりをサポートしています。

「海外遠征を控えているけど、準備に不安がある」
「遠征先で体調を崩さないための指導を受けたい」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。

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