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高血圧の原因とは?塩分・ストレスだけではない、見逃したくない病気を解説

はじめに

健康診断で血圧が高いと指摘されたとき、「どうして血圧が高くなったのだろう?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

高血圧というと、塩分の摂りすぎや運動不足、ストレスなどが原因としてよく知られています。しかし、実際にはさまざまな要因が関係しており、ホルモンの異常や睡眠時無呼吸症候群など、別の病気が原因となっていることもあります。

高血圧の治療では、単に血圧を下げるだけでなく、その原因を考えることも大切です。

この記事では、高血圧が起こる原因と、原因を調べるための検査について解説します。

高血圧の原因は大きく2種類

高血圧は、原因によって大きく「本態性高血圧」と「二次性高血圧」に分けられます。

① 本態性高血圧② 二次性高血圧
生活習慣や体質など、複数の要因が関係する高血圧
・塩分の摂りすぎ
・肥満、運動不足
・飲酒、ストレス、睡眠不足
・遺伝、加齢
特定の病気や薬剤などが原因となる高血圧
・副腎や甲状腺の病気
・睡眠時無呼吸症候群
・腎臓の病気

高血圧の多くは、生活習慣や体質などが関係する「本態性高血圧」です。一方、「二次性高血圧」では原因となる病気を治療することで、血圧が大きく改善する場合があります。

それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。

① 本態性高血圧|生活習慣や体質が関係する高血圧

本態性高血圧は、高血圧の大部分を占めるタイプです。特定の一つの原因があるわけではなく、複数の要因が重なって血圧が上昇します。

塩分の摂りすぎ

塩分を摂りすぎると、体内に水分がたまりやすくなり、血圧が上昇します。

高血圧の方では、1日6g未満の減塩が推奨されています。しかし、自分が実際にどの程度の塩分を摂取しているか、把握できている方は少ないのではないでしょうか。

尿検査によって塩分摂取量を推定する方法もあり、食生活を見直す際の参考になります。

肥満・運動不足

特に内臓脂肪の増加は、交感神経や血圧を調節するホルモンの働きに影響し、血圧を上昇させます。適度な運動や減量によって血圧が改善することがあります。

飲酒・ストレス・睡眠不足

過度の飲酒や慢性的なストレス、睡眠不足も血圧に悪影響を及ぼします。ストレスによって交感神経が活発になると、一時的に血圧が上昇します。

遺伝・加齢

高血圧には遺伝的な体質も関係しています。また、加齢によって血管の弾力性が低下することも、血圧上昇の一因です。

② 二次性高血圧|病気などが原因となる高血圧

二次性高血圧は、ホルモンの異常や腎臓の病気など、特定の原因によって血圧が上昇するタイプです。

原因となる病気を適切に治療することで、血圧が改善したり、降圧薬を減らせたりする場合があります。

二次性高血圧にはどのような原因がある?

代表的な原因には、次のようなものがあります。

分類主な原因疾患
腎臓の病気慢性腎臓病、腎動脈狭窄症など
副腎の病気原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫など
その他のホルモン異常甲状腺機能亢進症・低下症、副甲状腺機能亢進症、先端巨大症など
睡眠に関連する病気睡眠時無呼吸症候群
薬剤によるもの一部の痛み止め、ステロイド、甘草を含む漢方薬など
その他大動脈縮窄症、まれな遺伝性疾患など

特に、若い年齢で高血圧を発症した方、急に血圧が高くなった方、複数の薬を使用しても血圧が下がりにくい方では、二次性高血圧の可能性を考えることが重要です。

このように二次性高血圧にはさまざまな原因がありますが、その中でも特に知っておきたい病気について、もう少し詳しくご紹介します。

原発性アルドステロン症

原発性アルドステロン症は、副腎から「アルドステロン」というホルモンが過剰に分泌される病気です。

アルドステロンには体内に塩分や水分を保持する働きがあり、過剰になると高血圧を引き起こします。

高血圧の方の約5〜10%に認められるとされ、決して珍しい病気ではありません。

一般的な高血圧よりも脳卒中や心臓病などのリスクが高いことが知られており、早期発見が重要です。

血液検査でアルドステロンやレニンを測定することが、診断の第一歩になります。

甲状腺の病気

甲状腺ホルモンは、体の代謝や心臓の働きを調節しています。

バセドウ病などで甲状腺ホルモンが過剰になると、動悸や脈拍の増加とともに血圧が上昇することがあります。

一方、甲状腺機能低下症でも血圧が高くなることがあり、特に拡張期血圧(下の血圧)が上昇する傾向があります。

甲状腺の病気が疑われる場合には、血液検査で甲状腺ホルモンやTSHを確認します。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まる病気です。

睡眠中に酸素が不足することで交感神経が活発になり、血圧が上昇しやすくなります。

特に、次のような方では注意が必要です。

  • いびきが大きい
  • 日中に強い眠気がある
  • 朝の血圧が高い
  • 薬を飲んでも血圧が下がりにくい

睡眠時無呼吸症候群は、自宅で行える睡眠検査などで調べることができます。

腎臓の病気

腎臓は塩分や水分の排泄、血圧の調節に重要な役割を果たしています。

慢性腎臓病などで腎機能が低下すると、血圧が上昇することがあります。また、腎臓に血液を送る腎動脈が狭くなる「腎血管性高血圧」という病気もあります。

血液検査や尿検査、必要に応じた画像検査などで評価します。

高血圧の原因を調べるための検査

高血圧の診療では、血圧の数値だけでなく、生活習慣やほかの病気の可能性を総合的に評価することが重要です。

池尻大橋せらクリニックでは、患者さんの状態に応じて、次のような検査を組み合わせています。

塩分摂取量の推定

尿検査から1日の塩分摂取量を推定します。推定値には誤差がありますが、食生活を見直し、具体的な減塩指導につなげることができます。

ホルモンの検査

アルドステロン・レニンや甲状腺ホルモンなどを測定し、内分泌疾患による高血圧が隠れていないかを調べます。

睡眠時無呼吸症候群の検査

いびきや日中の眠気などがある方では、自宅で行える睡眠検査によって睡眠時の呼吸状態を評価します。

血液検査・尿検査

腎機能や電解質、糖尿病・脂質異常症の有無などを調べ、高血圧の原因や合併症のリスクを確認します。

すべての方に同じ検査が必要なわけではありません。年齢、血圧の程度、症状、これまでの治療経過などを踏まえ、必要な検査を選択します。

まとめ|血圧を下げるだけでなく、原因にも目を向けましょう

高血圧の原因は、生活習慣や体質などが関係する「本態性高血圧」と、特定の病気などが原因となる「二次性高血圧」に大きく分けられます。

原発性アルドステロン症や甲状腺疾患、睡眠時無呼吸症候群など、治療可能な病気が隠れている場合もあります。

原因を詳しく調べることで、一人ひとりに合った治療や生活習慣の改善につなげることができます。

池尻大橋せらクリニックでは、糖尿病・生活習慣病内科と甲状腺・内分泌内科の専門的な視点を活かし、血圧の管理だけでなく、その背景にある原因も含めて診療しています。

健康診断で高血圧を指摘された方、薬を飲んでも血圧が下がりにくい方、血圧が高い原因を詳しく調べたい方は、お気軽にご相談ください。