〜関節リウマチの特徴・診断・治療について〜
「朝、手がこわばって動かしにくい」「指の関節が腫れて痛い」「靴が合わなくなってきた」──
こうした症状が続いている方は、関節リウマチ(RA:Rheumatoid Arthritis)の可能性があります。
関節リウマチは、関節の「滑膜(かつまく)」と呼ばれる組織に炎症が起こり、痛みや腫れ、やがて関節の変形や破壊につながる自己免疫性疾患です。早期の診断と適切な治療により、進行を抑え、長期的な関節の機能を保つことができます。
今回は、関節リウマチの症状や検査、治療について、そして当院での対応をご紹介します。
【関節リウマチとは】
関節リウマチは、本来自分の体を守るはずの免疫反応が、誤って自身の関節を攻撃してしまう疾患です。炎症の中心は「滑膜」で、そこから周囲の軟骨や骨に炎症が波及し、最終的には関節の破壊や変形を引き起こします。
- 日本の有病率は 約0.6〜1.0%(70〜120万人)
- 女性に多く、特に30〜50代に発症が多い
- 遺伝的要因と環境要因(喫煙、感染など)が発症に関与
【主な症状】
■ 関節症状(初期に多くみられる症状)
- 左右対称の関節の腫れや痛み
- 特に手首・手指(MP・PIP関節)・足趾の関節
- DIP関節(指の先の関節)には基本的に症状が出ない
- 朝のこわばり(30分以上続くことが多い)
- 関節の変形(スワンネック変形、ボタン穴変形、外反母趾など)
■ 関節外症状(進行例に見られる全身的な症状)
- 間質性肺炎・肺線維症
- シェーグレン症候群(ドライアイ・口腔乾燥)
- アミロイドーシス、心外膜炎、貧血など
関節の炎症は以下のように進行していきます:
- 初期:滑膜の腫れ(レントゲンで骨変化なし)
- 慢性期:軟骨破壊が進み、骨びらん・関節裂隙の狭小化
- 末期:骨破壊が進み、関節の癒着・可動性消失
【検査】
当クリニックでは、関節リウマチの診断に以下の検査を行っています。
■ 画像検査
- レントゲン:骨びらん、関節の変形を確認
- エコー(超音波)検査:滑膜の腫れや関節液の貯留をリアルタイムに評価。炎症の早期発見に有効です。
■ 血液検査
- 炎症反応(CRP、赤沈)
- リウマトイド因子(RF)、抗CCP抗体(関節リウマチに特異的)
- MMP-3(マトリックスメタロプロテアーゼ-3):関節破壊の進行度を反映するマーカー
■ 診断基準
診断は、「2010年 ACR/EULAR分類基準」を参考に、他の関節炎を除外した上で総合的に判断します。
【治療】
治療の中心は薬物療法+リハビリテーションです。
■ 薬物療法
- メトトレキサート(MTX):第一選択の免疫抑制薬
- 生物学的製剤(抗TNFα抗体、IL-6受容体拮抗薬など):症状や進行度に応じて追加
- JAK阻害薬:近年登場した経口薬(重症例や生物製剤の代替として)
- NSAIDs(痛み止め)やステロイド:症状のコントロールに使用
近年はこれらの治療薬の進歩により、早期治療で関節破壊を防ぎ、寛解(症状がなくなる状態)を目指すことが可能になってきました。
■ リハビリテーション(当クリニックの特長)
- 温熱療法:筋肉の緊張を和らげ、血流を改善
- 関節可動域訓練:関節が硬くならないようにするリハビリ
- 棒やタオルを使ったリウマチ体操
- ストレッチ・軽い筋トレ:進行予防と日常動作の改善
※炎症が強い急性期は、無理に動かさず「関節を休める」ことが重要です。
■ 手術療法
関節破壊が進行し、機能改善が困難な場合には人工関節置換術などの手術療法が検討されます。
【池尻大橋せらクリニックで行える検査・治療】
当クリニックでは、以下の体制で関節リウマチの診療にあたっています:
■ 検査
- 身体診察、エコー、レントゲンによる早期評価
- 血液検査での炎症・抗体・骨破壊マーカーの確認
■ 治療
- 専門医と連携した薬物療法(MTX、生物製剤含む)
- 急性期・慢性期に応じたリハビリプログラム
- 関節外症状への注意と他科連携も含めた全身管理
患者さん一人ひとりの症状・進行度・生活状況に応じて、最適な治療計画を立案し、継続的にフォローアップいたします。
【まとめ】
関節リウマチは、早期診断・早期治療で進行や変形を予防できる疾患です。
「最近、関節がこわばる」「手が腫れて動かしにくい」と感じる方は、放置せず早めの受診をおすすめします。
当クリニックでは、画像診断・血液検査・リハビリ・薬物治療まで一貫した対応が可能です。
ご不安な症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
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