〜肩関節脱臼・肩関節不安定症について〜
肩が外れた経験のある方、また「日常的に肩が外れそうな不安感がある」方はいらっしゃいませんか?
肩関節脱臼は、全身の関節の中で最も多くみられる脱臼のひとつであり、適切な整復・固定・リハビリを行わないと再発や慢性の不安定感につながる可能性があります。
今回は、肩関節脱臼と肩関節不安定症について、症状・検査・治療法、そして当院での対応をご紹介します。
【肩関節脱臼とは?】
肩関節(肩甲上腕関節)は、上腕骨頭と肩甲骨関節窩から構成される関節で、非常に可動域が広い一方で、構造上の安定性には限界があります。
そのため、転倒やスポーツ外傷によって肩関節が脱臼しやすい特徴があり、全身の脱臼のうち約45%が肩関節に起こるとも言われています。
脱臼の方向には種類がありますが、90%以上は「前方脱臼」です。
【主な症状】
- 肩の激しい痛みと動かしにくさ
- 脱臼による肩の変形感や違和感
- 腋窩神経の圧迫による肩外側のしびれ・感覚鈍麻(多くは自然回復します)
【合併しやすい損傷】
肩関節脱臼では、以下のような骨・軟部組織の損傷を合併することがあります:
- Bankart(バンカート)損傷:関節窩前縁の関節唇損傷
- Hill-Sachs(ヒルサックス)損傷:上腕骨頭後外側の陥没損傷
- 上腕骨近位部骨折(特に高齢者での受傷時)
これらの損傷は、再脱臼や関節不安定性の原因となるため、正確な評価と対応が重要です。
【検査】
当クリニックでは以下の検査を行い、脱臼の方向や合併症の有無を診断します:
- レントゲン検査(正面・Y view):脱臼の方向と骨折の有無を確認
- CTやMRI(必要時):関節窩・骨頭の損傷(Bankart損傷・Hill-Sachs損傷など)を詳細に評価
【治療:脱臼の整復と固定】
肩関節脱臼の治療は、まず脱臼した関節を元の位置に戻す整復術から始まります。
■ 整復法の一例
- Stimson法:うつ伏せで腕を下に垂らし、重りをつけて自然整復を待つ方法
- 牽引・外転法:仰向けで肩を外転させながら整復する方法
整復の際には、痛み止めや局所麻酔を併用することもあります。
■ 固定とその後の対応
整復後は関節を安定させるために3〜4週間の固定を行います。
内旋位固定と外旋位固定に分かれますが、損傷部位や再発リスクに応じて選択します。
【反復性肩関節脱臼とは?】
初回脱臼後、軽微な外力や日常動作で再び脱臼を繰り返すようになる状態を指します。
これは、初回脱臼で関節唇や靭帯が損傷し、それが不十分な治癒のまま残存することで関節の安定性が低下するためです。
- 初回脱臼が若年(10代・20代)で起こった場合、再脱臼率が非常に高い
- 根本的な再発予防には手術療法(関節唇修復術など)が必要となる場合があります
【肩関節不安定症とは?】
肩関節不安定症は、外傷によるものに限らず、生まれつきの関節のゆるさが原因で肩の亜脱臼・不安定感が起こる状態です。
- 特定の方向や姿勢で脱臼しそうになる
- 肩の痛み・脱力感・しびれ・不安定感など多彩な症状
■ 治療
基本は保存療法(リハビリテーション)が中心です:
- 脱臼や不安定感を起こしやすい動作の回避
- 関節周囲筋の強化や安定性向上を目的とした運動療法
※中高生では自然治癒するケースも多く、30%以上が保存療法で改善するとされています。
【池尻大橋せらクリニックで行える検査・治療】
当クリニックでは、以下のような診療体制を整えています:
■ 検査
- 問診と身体診察(肩の変形・神経症状など)
- レントゲン検査(正面・Y view・軸)
- 必要に応じてCT・MRIなどの精密検査は高次医療機関へ紹介
■ 治療
- 脱臼整復術(必要に応じて鎮痛処置)
- 整復後の適切な固定(3〜4週間)と再発予防指導
- 反復性脱臼や不安定症に対するリハビリ・手術紹介
- スポーツ復帰への段階的サポート
【まとめ】
肩関節脱臼は「元に戻ればOK」ではなく、その後の固定・管理・リハビリがとても大切です。
適切な対応をしないと、再脱臼や慢性的な肩の不安定感に悩まされることもあります。
池尻大橋せらクリニックでは、脱臼の診断・整復・固定・再発予防のリハビリまで一貫してサポートしています。
肩の脱臼や不安定感でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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