〜骨粗鬆症の原因・診断・治療と当クリニックでの対応〜
「ちょっとつまずいただけで骨折した」「いつのまにか背が縮んだ気がする」――
そんな方は、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の可能性があります。
骨粗鬆症は、骨の密度や強度が低下して骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。進行していても症状がないことが多いため、「静かなる病気」とも呼ばれています。
今回は、骨粗鬆症の原因・検査・治療法について、そして当クリニックで行っている精密な評価と治療の考え方をご紹介します。
【骨粗鬆症とは?】
骨粗鬆症は、骨の内部がスカスカになることで、わずかな力でも骨折を起こしやすくなる疾患です。日本では推定1300万人以上が骨粗鬆症とされ、特に閉経後の女性に多く見られます。
また以下のような病気や生活習慣も骨密度を低下させるリスクになります:
- 喫煙・過度な飲酒
- 長期間のステロイド使用
- 関節リウマチ
- 糖尿病・慢性腎臓病
- 胃の手術歴(胃切除後)
骨折しやすい部位としては:
- 脊椎(椎体)圧迫骨折
- 大腿骨近位部骨折
- 橈骨遠位端骨折(手首)
- 上腕骨頚部骨折
- 骨盤骨折 などが挙げられます。
【症状とリスク】
骨粗鬆症は基本的に無症状で進行しますが、骨折をきっかけに発見されるケースが多いです。
- 背中や腰が痛い
- 身長が縮んできた
- 転倒後に動けない・立てない
- はっきりした外傷がないのに骨折を起こす
高齢者では、おむつ交換の体位変換や、軽い尻もちでも骨折が起きることがあります。骨折を契機に筋力・心肺機能が低下し、寝たきりや廃用症候群に進行するリスクもあるため、早期発見と治療が重要です。
【検査と診断】
■ 骨密度検査(DEXA法)
当クリニックでは高精度のDEXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)を採用し、腰椎や大腿骨近位部の骨密度を測定しています。
骨密度は、YAM(Young Adult Mean)=若年成人平均値に対する割合で評価されます。
■ 血液検査
骨密度の低下が確認された場合には、カルシウム・ビタミンD・骨代謝マーカー(TRACP-5bやP1NPなど)を採血し、治療方針の判断材料とします。
■ レントゲン検査
腰椎のX線撮影で、過去の圧迫骨折の有無や骨変形の確認を行います。
【診断基準(いずれかを満たす場合)】
- 脆弱性骨折(椎体または大腿骨近位部)を認める
- その他の脆弱性骨折(橈骨・骨盤など)があり、骨密度がYAMの80%未満
- 骨折がない場合、骨密度がYAMの70%以下または-2.5SD以下
【治療】
治療の柱は、食事療法・運動療法・薬物療法です。
池尻大橋せらクリニックでは、骨粗鬆症を骨代謝の治療ととらえ、適切な治療の順番を重視しています。
■ 食事療法
- カルシウム:1日800mg以上(乳製品、大豆、小魚など)
- ビタミンD:鮭、きのこ類など
- ビタミンK:納豆、ブロッコリーなど
■ 運動療法
- 適度な負荷で骨に刺激を与える運動(ウォーキングなど)
- 筋力やバランス感覚を向上させる運動で転倒予防にも効果的
■ 薬物療法
骨吸収抑制薬
状態に応じて以下の薬剤を使い分けます:
- ビスホスホネート:第一選択薬。骨吸収を抑制
- SERM(選択的エストロゲン受容体調節薬):閉経後の女性に有効
- デノスマブ(注射薬):半年ごとに使用され、強力な骨吸収抑制作用
→ カルシウム・ビタミンD補充が必要(例:デノタス併用)
■ 骨形成促進薬(重症例)
- 骨密度がYAM 60%未満
- または60~70%で脆弱性骨折を伴う場合
このようなケースでは、テリパラチドなどの骨形成促進薬の使用を検討します。
骨を「壊す」のを防ぐだけでなく、「作る」ことに重点をおいた治療が必要になります。
【転倒予防も重要な治療の一部】
- 足腰の筋力維持のための運動習慣
- 家の中の段差・スリッパ・照明の見直し
- 視力障害(白内障など)の改善
- 頻尿・ふらつきへの医療的対応
これらは、「折れない骨」と「転ばない生活」両面からのケアとして大切です。
【池尻大橋せらクリニックで行える検査・治療】
当クリニックでは以下のような診療体制を整えています:
■ 検査
- DEXA法による骨密度測定
- 血液検査による骨代謝評価
- 腰椎レントゲンでの圧迫骨折チェック
■ 治療
- 患者さんに応じた薬剤の選択と生活指導
- 転倒予防・運動療法の実践的アドバイス
- 必要に応じて専門医への連携も可能
【まとめ】
骨粗鬆症は「年齢のせい」で済ませてはいけない疾患です。しっかりとした検査と段階的な治療戦略が、将来の骨折リスクを大きく下げます。
当クリニックでは、精密なDEXA検査と骨代謝評価に基づいた適切な治療計画をご提案しています。
ご自身の骨の状態が気になる方、すでに骨折を経験された方は、ぜひ一度ご相談ください。
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