糖尿病の検査|診断基準と全身評価(HbA1c・血糖値・合併症検査)
糖尿病の検査 ― 診断と全身評価
糖尿病は、自覚症状がほとんどないまま進行することが多い病気です。そのため、検査によって正確に診断し、同時に全身の状態を評価することがとても重要です。
健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘されて受診される方も多くいらっしゃいます。
ここでは、糖尿病の診断基準と主な検査内容、さらに合併症や動脈硬化の評価についてわかりやすく解説します。
糖尿病の診断に必要な検査(血糖値・HbA1c)
糖尿病の診断の中心となるのは血液検査です。
主な検査には次のものがあります。
空腹時血糖
10時間以上食事をとらない状態で測定する血糖値です。
HbA1c(ヘモグロビンA1c)
過去1〜2か月の平均的な血糖状態を反映する検査で、日々の血糖の積み重ねを評価できます。
随時血糖
食事の時間に関係なく測定する血糖値です。
必要に応じて、75g経口ブドウ糖負荷試験(ブドウ糖を飲んで2時間後の血糖値を測定する検査)を行うこともあります。
糖尿病の診断基準
次のいずれかが基準以上の場合、「糖尿病型」と判定されます。
・空腹時血糖 126mg/dL以上
・75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値 200mg/dL以上
・随時血糖 200mg/dL以上
・HbA1c 6.5%以上
実際の診療では、血糖値とHbA1cをあわせて総合的に判断し、糖尿病と診断します。
明らかな高血糖や、
・のどの渇き
・多尿
・体重減少
といった典型的な症状がある場合には、その時点で診断に至ることもあります。
一方で、数値が境界域の場合には再検査を行い、慎重に評価します。
糖尿病予備群(境界型)
空腹時血糖がやや高い場合や、HbA1cが 6.0〜6.4%程度 の場合は「糖尿病予備群」と考えられます。
この段階でも将来的に糖尿病へ進行する可能性があるため、生活習慣の見直しと定期的なフォローが重要です。
糖尿病の病型を調べる検査
糖尿病と診断された場合、「どのタイプの糖尿病か」を評価することが重要です。治療方針に関わるためです。
主に血液検査で次のような項目を確認します。
インスリン分泌の評価
体がどれくらいインスリンを分泌できているかを確認します。主にCペプチドという項目を測定します。
自己抗体検査
1型糖尿病が疑われる場合に、免疫の異常が関係しているかを調べます。抗GAD抗体や抗IA-2抗体などを測定します。
二次性糖尿病の評価
膵臓の病気、ホルモン異常、薬剤の影響などが原因となっていないかを確認します。
糖尿病の合併症を調べる検査
糖尿病では、診断時から合併症の有無を確認することが重要です。合併症は自覚症状が出る前から進行することがあります。
腎機能評価
尿検査や血液検査で腎臓への影響を確認します。
眼底検査
目の奥の血管を観察し、糖尿病網膜症がないかを調べます。視力に異常がなくても定期的な検査が必要です。
当院では眼科専門医と連携し、院内で眼底検査を実施しています。
神経障害の評価
足のしびれや感覚低下がないかを確認します。神経障害は足の傷や潰瘍の原因になることがあるため注意が必要です。
動脈硬化と併存症の評価
糖尿病は動脈硬化を進めやすい病気です。そのため、血糖だけでなく心臓や脳の病気のリスクも同時に評価します。
脂質検査・血圧測定
動脈硬化の危険因子を確認します。
頸動脈エコー
首の血管を超音波で調べ、動脈硬化の程度を評価します。
ABI(足関節上腕血圧比)
足の血流障害の有無を調べる検査です。
糖尿病の検査は、単に血糖値を確認するだけではなく、全身の血管や神経の状態を把握し、将来の合併症を予防するための評価が重要です。
糖尿病の検査は継続が重要
糖尿病の検査は診断で終わりではなく、継続的に行います。
・HbA1c:通常1〜3か月ごと
・腎機能や尿検査:定期的に
・網膜症検査:状態に応じて1か月〜1年ごと
・動脈硬化の評価:必要に応じて実施
合併症は静かに進行するため、定期的なチェックが将来の重い病気の予防につながります。
当院の糖尿病検査体制
池尻大橋せらクリニックでは、血糖値やHbA1cの評価に加え、病型診断、眼底検査、神経評価、頸動脈エコー、ABIなどを組み合わせ、全身を総合的にチェックしています。
眼底検査を含むこれらの検査を院内で行える体制を整えており、一つのクリニックで完結する診療を目指しています。
健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘された方は、症状がなくても早めの受診をおすすめします。
糖尿病の検査は、将来の合併症や動脈硬化を防ぐための第一歩です。
【糖尿病については、以下の記事でも詳しく解説しています。】
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