・金属アレルギーはどんな病気?
金属アレルギーは、特定の金属に対してアレルギー反応を起こす病気です。
金属が皮膚に接触した部分に症状が出る接触性膚炎と、全身に症状がでる全身型金属皮膚炎があります。
通常は金属に触れただけでアレルギーが起こることはほとんどありませんが、汗や唾液などで金属が溶け出し金属イオンとなり、これが皮膚の表面でアレルギー反応を起こしたり、体内に取り込まれてアレルギー反応を起こしたりします。
金属アレルギーを起こしやすい金属はニッケル、コバルト、クロムなどですが、そのほかにも水銀、パラジウム、スズ、白金、亜鉛、銅なども金属アレルギーを起こすことが知られています。
皮膚にふれる金属としてはピアスやネックレスなどのアクセサリー、服についている金属小物、メガネのフレームなどがあります。
また口に入る金属では歯科治療で使用する金属や、食べ物に含まれる微量の金属もアレルギーの原因となることがあります。
金属アレルギーは遅延型アレルギーというタイプのアレルギー反応で、花粉症などの即時型アレルギーとは違って症状が出るまでに時間がかかり、検査方法も異なります。
・金属アレルギーの症状は?
接触皮膚炎では金属が触れた部分の皮膚に赤み、腫れ、かゆみ、ぶつぶつなどの症状が出ます。
全身型金属皮膚炎では様々な症状のパターンがあり、全身のかゆみや赤み、湿疹ができる、手足に水ぶくれや膿ができる、口の中がただれるなどの症状があります。
症状は原因となる金属の接触・摂取から1~2日程度経ってから出現することが多いです。
・金属アレルギーを疑ったらどんな検査を行う?
金属アレルギーを調べるための一般的な検査はパッチテストです。
これはアレルギーの原因として疑われる物質を直接皮膚に貼り付けてアレルギー反応が起きるかをみる検査です。
具体的には背中などの正常な皮膚に対象となる金属を含ませたパッチを貼り付けます。
そのまま2日間過ごしていただき、2日後、3~4日後、1週間後にそれぞれ皮膚の状態を観察して判定を行います。
その他にリンパ球刺激試験という特殊な血液検査で調べる方法がとられることもあります。
花粉症や食物アレルギーの際に行う一般的な血液検査では調べることはできません。
・金属アレルギーの治療は?
金属アレルギーの治療で最も重要なことは原因となる金属を避けることです。
頻度の高いニッケルアレルギーを例にとるとニッケルを含むアクセサリーを避ける、ニッケルフリーの製品を選ぶといった対策が有効です。
また全身型の場合には金属を多く含む豆類や木の実などの食品を避ける、歯科金属が原因の場合は歯科医に相談するといったことも重要です。
すでに出てしまった皮膚症状を抑えるためにはステロイドの塗り薬を使用します。
汗が多い、皮膚の傷や感染があるといった状態はアレルギー反応を悪化させる可能性があるので、汗をこまめにふく、皮膚をやさしく洗って保湿を行うなどのスキンケアも重要です。
金属アレルギーの管理には、予防と適切な治療が必要です。
適切な対策を講じることで、快適な生活を送ることができるため、早めに診察を受けることが重要です。
・当クリニックで行える金属アレルギーの検査や治療は以下の通りです。
検査:(パッチテストについては診察の上でご相談ください)
治療:症状を抑える薬の処方
当クリニックでは、丁寧な診療と安らぎのある環境で、
皆さんの不安を軽減し健康増進のサポートを心がけています。
どうぞ、お散歩がてらに、気軽に当クリニックへご相談ください。