〜再生医療の一種「PRP療法」について〜
変形性関節症、スポーツ障害、腱炎、関節周囲の慢性的な痛み――
これらの治療で「できるだけ手術は避けたい」「自然な形で回復を促したい」と考えている方にとって注目されているのが、自己血由来の再生医療「PRP療法」です。
当院では、米国Arthrex(アースレックス)社製のACPシステムを用いて、高品質なPRP(多血小板血漿)療法を提供しています。
今回は、PRP療法とはどのような治療なのか、その特徴や適応、メリット・デメリットについて総合的に解説します。
【PRP療法とは?】
PRP(Platelet-Rich Plasma:多血小板血漿)療法は、患者さんご自身の血液から“血小板を多く含む成を抽出し、患部に注射することで治癒を促す治療法です。
血小板には、組織修復に関与する成長因子(PDGF、TGF-β、VEGFなど)が豊富に含まれており、これらが炎症を抑え、軟部組織や軟骨の修復を促進すると考えられています。
【使用しているACP(Arthrex)について】
当院で採用しているPRPは、米国Arthrex社製のACP(Autologous Conditioned Plasma)システムを使用しています。
■ ACPの特長
- 少量(約15ml)採血から約4〜6mlのPRPを抽出可能
- 二重シリンジ構造により閉鎖系で清潔に処理でき、感染リスクを低減
- 遠心分離時間が短く、施術時間は15分程度
- 炎症を抑える白血球を極力除去した「白血球除去型PRP」で、疼痛や腫れが起こりにくい
一般的なPRP療法よりも副作用が少なく、炎症の強い疾患にも使用しやすいという利点があります。
【適応となる主な疾患】
PRP療法は、特に慢性期の軟部組織障害や関節障害に適応があります:
- 変形性膝関節症(軽度〜中等度)
- 肩関節周囲炎(五十肩)
- テニス肘(外側上顆炎)
- アキレス腱炎、足底腱膜炎
- 靱帯損傷・筋損傷の治癒促進
- 術後の修復サポート(再建靱帯の生着促進など)
特に、変形性膝関節症では痛みの軽減やヒアルロン酸注射が効きにくい症例への代替治療としてPRPの有用性が報告されています。
【治療の流れ】
- 診察・適応判断
MRI・エコーなどで症状の原因を特定し、PRP療法の適応かどうか判断します。 - 採血(約15ml)
専用キットで腕から採血を行います。 - 遠心分離(約5分)
遠心分離機で血小板を濃縮し、不要な成分を除去します。 - 患部に注射
エコーで確認しながら、痛みのある部位に直接注射を行います。注射後は一時的な疼痛を伴うことがありますが、数日で軽快することが多いです。
【メリットとデメリット】
■ メリット
- 自己血液を使用するため安全性が高い
- 炎症を抑えつつ、自然治癒力を高める効果
- 繰り返し注射可能(3〜6ヶ月ごとに実施されることが多い)
- 手術を回避・先延ばしできる可能性あり
■ デメリット・注意点
- 効果に個人差がある(全例で効果が保証されるわけではない)
- 保険適用外(自由診療)のため、費用負担がある
- 注射後、一時的な疼痛や腫れが出る場合がある
【池尻大橋せらクリニックで行っている再生医療のご案内】
現在当クリニックでは、症状や目的に応じて以下の再生医療を提供しています:
- PRP療法(ACP):自己血由来の成長因子を即日注入
- PFC-FD療法(セルソース):成長因子を濃縮・凍結乾燥加工
- PDF-FD療法(waqoo):高濃度で安定性の高い自己由来成長因子製剤
- 幹細胞培養上清液(waqoo):即時使用可能な無細胞製剤。炎症抑制に特化
それぞれの製剤には得意とする領域があり、症状・疾患・重症度・患者さんのご希望に合わせて最適な治療をご提案いたします。
【まとめ】
PRP療法は、「自分の血液で体を治す」新しい選択肢です。
痛みの原因が分かっていても、「手術はしたくない」「自然に治したい」と考える方にとって、安全性と回復力を兼ね備えた治療法です。
関節や筋腱の慢性的な痛みでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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