・副鼻腔炎はどんな病気？
副鼻腔炎（ふくびくうえん）とは、副鼻腔と呼ばれる顔面の空洞が炎症を起こす病気です。
蓄膿症（ちくのうしょう）ともよばれます。
副鼻腔とは鼻の周囲に左右4つずつある空洞で、額の奥の前額洞、目の奥の篩骨洞、鼻の奥の蝶形骨洞、頬の奥の上顎洞の４種類があります。
これらはすべて鼻の中（鼻腔）と細い通り道でつながっています。
副鼻腔炎は細菌、ウイルス、アレルギーなどによって副鼻腔の粘膜が炎症を起こすことで発症します。
発症から4週間以内のものを急性副鼻腔炎といい、3か月以上続く場合を慢性副鼻腔炎といいます。
急性副鼻腔炎は多くの場合は風邪などによる鼻の粘膜の感染が副鼻腔に及んで発症します。
慢性副鼻腔炎は同じように発症した感染が長引いた場合や、鼻や副鼻腔の形の問題、歯の感染、アレルギーなどが関与して発症する場合もあります。
また慢性副鼻腔炎の中には好酸球という細胞が炎症に関与している好酸球性副鼻腔炎という病気もあり、国の難病に指定されています。
・副鼻腔炎はどんな症状？
副鼻腔炎の主な症状は鼻づまりや鼻水、顔面の痛みや圧迫感です。
また臭いがしない、異臭がするといった嗅覚の異常や、鼻水が喉に垂れ込んで咳が出るといった症状を伴うこともあります。
急性副鼻腔炎では熱が出ることがあります。また急性・慢性ともに疲労感、倦怠感などの全身症状を伴うこともあります。
・副鼻腔炎を疑ったらどんな検査を行う？
症状や経過から副鼻腔炎が疑われる場合、必要に応じて鼻の中の検査、画像検査、血液検査、嗅覚の検査などを行います。
鼻の中の検査は鼻鏡や内視鏡が、画像検査では副鼻腔のレントゲンやＣＴなどが行われます。
炎症の程度や広がりを正確に評価する上ではＣＴ検査が優れています。
・副鼻腔炎の治療は？
副鼻腔炎は病原体の感染が原因のことが多く、まずは薬による治療を行います。
細菌感染が疑われる場合には抗菌薬を使用します。急性副鼻腔炎の場合には1週間程度の抗菌薬治療が改善することが多いです。
また炎症による症状を抑えるために抗ヒスタミン薬やロイコトリエン拮抗薬といった種類の飲み薬やステロイド点鼻薬を併用する場合もあります。
これらは炎症を抑える目的で使用されるほかにもアレルギーを抑える作用もあり、アレルギーが原因の場合にも有効です。
鼻水の排出を促すために去痰薬を使うこともあります。
こうした治療が改善しない慢性副鼻腔炎の場合には、マクロライドという抗菌薬を長期間内服することもあります。
これは菌を殺すというよりは副鼻腔の表面の機能を回復させる目的で行われる治療です。
好酸球性副鼻腔炎ではステロイドの飲み薬を使用する場合もあります。
こうした薬による治療で改善しない場合や、慢性的な副鼻腔炎が続く場合には、手術が検討されることがあります。
例えば、鼻の通り道を広げるための手術や、副鼻腔の膿を除去するための手術が行われることがあります。
副鼻腔炎は適切な治療によって多くの場合、症状が軽減し、快適な生活を取り戻すことができます。
症状が続く場合や改善しない場合は、早めに診察を受けることが重要です。
・当クリニックで行える副鼻腔炎の検査や治療は以下の通りです。
検査：レントゲン、血液検査
治療：症状を抑える薬の処方
当クリニックでは、丁寧な診療と安らぎのある環境で、
皆さんの不安を軽減し健康増進のサポートを心がけています。
どうぞ、お散歩がてらに、気軽に当クリニックへご相談ください。