・アレルギー性鼻炎はどんな病気?
アレルギー性鼻炎は、特定の物質(アレルゲン)に対するアレルギー反応により、鼻の粘膜に炎症を引き起こす病気です。
アレルゲンには、花粉、ホコリ、ペットの毛、カビの胞子などが含まれます。
アレルゲンが鼻の中に入ってくると体はこれを異物と認識し、抗体が作られます。
繰り返しアレルギンにさらされることで作られた抗体が反応し、鼻の粘膜にあるマスト細胞という細胞からヒスタミンやロイコトリエンといった物質が分泌されます。
これが血管に働くことで血管が膨らんだり血液中の液体が外にしみ出てきたりして、鼻炎の症状を引き起こします。
アレルギー性鼻炎は、季節性と通年性の2つのタイプに分けられます。
季節性アレルギー性鼻炎は、特定の季節に発症するタイプのもので代表的な原因は花粉です。
通年性アレルギー性鼻炎は、年間を通じて症状が現れるタイプのもので、ホコリやペットの毛、カビなどが原因となることが多いです。
・アレルギー性鼻炎の症状は?
アレルギー性鼻炎の主な症状は鼻水、くしゃみ、鼻づまりです。
症状がつよい方の場合には疲労感や倦怠感などの全身症状を伴うこともあります。
また厳密には鼻炎の症状ではありませんが、同様のアレルギー反応で目のかゆみや喉のかゆみ、咳などの症状を伴うこともあります。
・アレルギー性鼻炎を疑ったときはどんな検査を行う?
特定の条件下で鼻炎症状が出る場合にはアレルギー性鼻炎を疑います。
より正確に原因を調べる場合には血液検査で特異的IgE抗体という検査を行います。
これはアレルギーの原因となりうる様々な物質に対して、IgEという抗体があるかを調べる検査です。
IgEというのはアレルギーを引き起こす抗体です。結果は7段階で評価され、2以上を陽性と判定します。
ただし血液検査で陽性反応が出た物質が必ずしもアレルギーの原因になっているとは限らないため、最終的には症状や経過から判断する必要があります。
その他にも鼻水の検査や、原因となりうる物質を皮膚に投与して反応をみる検査が行われる場合もあります。
・アレルギー性鼻炎の治療は?
アレルギー性鼻炎の治療には、アレルゲンからの回避、症状を抑える治療、アレルギーそのものを抑える治療があります。
アレルゲンからの回避は原因によって様々ですが、例えばハウスダストの場合には、部屋を清潔に保ち、空気清浄機を使用するといった対策や、花粉症の場合は、外出時にマスクを着用し、帰宅後は衣服を洗濯する、ペットがアレルゲンの場合にはペットの毛をこまめに掃除し、できるだけ接触を減らすといったような対策をとります。
症状を抑える治療では、鼻炎の症状を引き起こすヒスタミンやロイコトリエンの働きを抑える薬やより強力に免疫を抑えるステロイド薬などを使用します。
通常はまずはヒスタミンを抑える飲み薬を使用し、症状にあわせて点鼻薬を併用することもあります。
アレルギーそのものを抑える治療はアレルゲン免疫療法という治療があります。
これはアレルギーの原因となる物質を少量から体に投与していき、徐々に体を慣れさせていく治療法です。
アレルギー物質を舌の下に投与する方法(舌下投与)が主流で、現在はスギ花粉とダニアレルギーに対して行うことが可能です。
アレルギー性鼻炎は、適切な治療を行うことで症状を管理し、生活の質を向上させることが可能です。
・当クリニックで行えるアレルギー性鼻炎の検査や治療は以下の通りです。
検査:血液検査
治療:症状を抑える薬の処方、アレルゲン免疫療法
当クリニックでは、丁寧な診療と安らぎのある環境で、
皆さんの不安を軽減し健康増進のサポートを心がけています。
どうぞ、お散歩がてらに、気軽に当クリニックへご相談ください。